インタビュートップ > Vol.14 株式会社RTC 代表取締役社長 石田 健次郎

株式会社RTC 代表取締役社長 石田 健次郎

RUF(ルーフ)は、1939年に初代アロイス・ルーフによって創業された。 ポルシェをベースに独自のモデルを作ることで知られており、年間の生産台数はごくわずかながらドイツの正式な自動車メーカーとして、VDA(ドイツ自工会)のメンバーとなっている。 そのRUFの日本正規輸入元がRTCだ。 1983年にイシダエンジニアリング社が輸入販売を開始しており、その期間を含め関係性は30年以上に及ぶ。 30代前半の若さで社長となった石田健次郎氏に、これまでとこれからのRUFについて話を伺う。

“出来ないことはない”それが RUF社長の口癖です。

加藤 そういえば石田さんも、もともとエンジンのエンジニアなんですよね?

石田 大学でエンジンの研究をしていて、エンジンの開発がしたくて、日産ディーゼルに入社しました。

加藤 やはり小さな頃からRUFのような凄いクルマに囲まれて育って、それでエンジニアになろうと思ったんですか?

石田 そうですね。クルマはずっと好きで、でもきっかけと言えば、F1が好きで、あるときマクラーレン・メルセデスのハッキネンとクルサードが同じようなミスをして、おそらく同じ部品に耐久性の問題があり、2台が同じようなタイミングでエンジンブローしたんです。そのとききっちりと同じように壊れるんだと、それが凄いなあと。

加藤 エンジンのマネージメントの精緻さに驚いたと、随分とマニアックな視点ですねえ(笑)。でもいずれは日産ディーゼルをやめて、RTCに入社する予定だったのですか?

石田 いえ、エンジン開発はやりがいもありましたし、そんなつもりはぜんぜんなかったのです。あるときふと、この世界でものすごく限られた人たちに向けて徹底的にこだわって作られたこのRUFというものに携わってみたい、という思いがふつふつと湧いてきたんです。

加藤 RUFの一番の魅力ってなんだと思いますか?

石田 お客様の意見ですが、やはりエンジンに惚れ込まれる方が多いです。その点は新しいモデルでも古いモデルでも同じで、レブリミットに届くまで回転が一気にのびていく快感であったり、自分の期待値以上に走るけれどもドライバーが制御できないほどのものではなくて、そのバランスがたまらなく気持ちいいとおっしゃいます。

加藤 いま現行のルーフにはどんなモデルがあるのでしょうか?

石田 今年の春に発表されたばかりですが、911をベースにしたツインターボの「RtR」、NAの「RGT4.2」のデリバリーが間もなく始まります。RtRは2駆4駆が選択でき、RGT4.2は基本的に2駆のみの設定で、どちらもトランスミッションは6MTのみです。それ以外にもタルガボディのターボである「Turbo Florio」もあります。

加藤 結構あるんですね。それでいま我々の目の前にあるのが、そのCTR3というわけですね。

石田 そうですね、これは日本にまだ1台しかありません。あるお客様のクルマなんです。

加藤 これ内装もすごく凝っていますけど、どうやって仕様を決めていくのですか?

石田 まずどのモデルにするのか、ベースを決めていただいて、2駆か4駆か、トランスミッションはどうするか、ボディタイプはクーペかオープンか、右ハンドル仕様も選べます。内装もレザーやアルカンターラをはじめ、もっとレーシーにすることもできますし、ウイングをつけてダウンフォースをつけるとか、軽量化するとか、方向性を決めていく、それに適した仕様をつくっていきます。

加藤 なるほど、ほとんどオートクチュールなわけですね。

石田 RUFでは社長の口癖でもあるんですけど、基本的に“出来ないことはない” (Nothing is impossible)というスタンスでお客様の要望に応えようとします。もちろん物理的に不可能なこともありますが、過去にはボディの幅まで変えた例もあります。

加藤 イエローバードは当時3,800万円とお聞きしましたが、大まかなにいまRUFの価格はどれくらいなのでしょうか?

石田 ミドエンジンの3800Sあたりで1,900万円くらいから、ツインターボのリアエンジンのRtRが5,500万円くらい、CTR3が1億前後というところでしょうか。価格帯として多いのは4,000?5,000万円くらいです。

加藤 オプションをつけていくとベースのボクスター/ケイマンがゆうに1,000万円を超える時代ですから、そう考えると3800Sあたりは狙い目かもしれませんね。

石田 そうなんですが、やはり日本のお客様は911がお好きで、安いからとミドシップのモデルが売れるわけではないんです。

加藤 注文してからどれくらいの期間で納車されるのでしょうか?

石田 だいたい半年くらいで完成します。お客さまにはオーダーの割には結構早いと言われますね。

加藤 たしかに早いですね。ちなみに日本ではカイエンやマカンといった、ポルシェのSUVが人気ですが、SUVのRUFを求めるお客さんっていないのですか?

石田 実はカイエンをベースにしたダカーラというモデルがあります。日本ヘはコンプリートカーは入ってきていませんが、コンバージョンキットを組んだクルマなら日本にもあります。

加藤 そうなんですね、知らなかった。石田社長はまだお若いですが、今後RUFをどう広めていこうとお考えでしょうか。おそらく同世代の方だとRUFを知らない人も多いんじゃないかと思うんです。

石田 そうですね。オーナーも40代以降の方が多いですし、同年代や若い世代はRUFをご存知ない方が多いかもしれません。

加藤 そういう人たちにもアピールしていこうとお考えでしょうか?

石田 いまとりあえずできることとして、を始めたり、ソーシャルメディアを利用してもっと発信していこうと考えています。ずっとファンでいてくださっている方はもちろんですけど、新しいRUFのファンも増やしていきたいですね。

加藤 あと本国ではRUFはレストアラーとして有名で、以前うかがったときには新車の組み立て部門と同じくらいのレストアスペースがあって、ルーフ社長のピカピカにレストアされた901が飾られていました。いま海外のスーパーカーメーカーの多くがレストア部門を開設していますが、そういったことは日本でもお考えになっていないのでしょうか?

石田 実は大々的にはうたっていませんが、そういう話があれば個別にお受けしています。RUFはいま8か国で展開していますが、日本が最もつきあいの長いパートナーで、技術の習得のためにドイツから定期的に人がきたり、こちらからメカニックが勉強に行ったりして、コンバージョンも含めて、すべての権利を委ねられているのは本社以外ではわれわれだけなんです。

ですから、エンジンなどの基幹部品のメンテナンスやオーバーホールはここでできますし、内装のレストアの際にRUFの革の色やステッチにまでこだわる方の場合は、部品をばらしてから本社に送って張り替えてもらうようにします。

加藤 そこまでやるんですねえ。RUFを買うことってスーツをテーラーメイドするようなものだから、一度袖を通したらやはりもう一度着たくなりますよね。

もう随分前のことですが、お父さんはシトロエンCXのファミリアールに乗っていらしてそれがすごく印象的で、RUFというモンスターマシンとCXのブレークという癒し系の組み合わせがすごく幸せなペアに見えた。石田社長のような若い世代の方が同世代に向けて、ぜひそういったクルマの楽しみ方を提案していただきたいと思いますね。

石田 RUFといえども環境問題に無関心ではいられませんし、自動車メーカーとしての社会的な責任もあります。ドイツ本国では2008年に電気自動車をリリースしています。しかし、どんな時代であっても性能を極限まで引き出したエンジンには普遍の魅力がありますし、それを時代に合わせて実現していくのがRUFのエンジニアリングだと考えています。そこに共感してくださる方がこれから一人でも増えると嬉しいなと思います。

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インタビュアー:カーグラフィック代表取締役社長 加藤 哲也
1959年生まれ。東京都出身。大学卒業後はテレビ番組制作会社に勤務。1985年、出版社である二玄社へ転職。自動車専門誌『カーグラフィック』に配属される。2000年に編集長に就任。2007年には姉妹誌であった『NAVI』の編集長も歴任した。2010年に二玄社からカーグラフィックの発行を引き継ぎ同社を設立、代表取締役社長を務める。

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