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PDIセンターのご紹介 vol.2

2016年9月1日


~フォルクスワーゲン グループ ジャパンのTSC~

前回、フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社(以下、VGJ)の豊橋インポートセンターをご紹介してから8年が経ち、PDI(Pre-Delivery Inspection:出荷前点検)の作業工程や品質が更に向上されたことから、前回からの改善点や、最新のVGJ豊橋インポートセンターの概要をご紹介します。

VGJ豊橋インポートセンターについて

VGJ豊橋インポートセンターは、フォルクスワーゲン アウディ 日本 株式会社(現フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社)が愛知県豊橋市に本社を移した1992年の10月に竣工しました。

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約10年後の2003年にはVGJとして輸入したフォルクスワーゲン車が50万台を達成し、2013年には100万台を達成。2016年4月時点では、117万台に上ります。

豊橋からの出荷は、フォルクスワーゲンブランドの他、アウディ、ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニも含まれており、2015年の合計出荷台数は9万台を超えました。

VGJ豊橋インポートセンターは、年間出荷台数10万台のキャパシティがありますが、近年のフォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェの販売台数増加に伴い、2014年の11月より2交替制の勤務を導入しました。これにより、理論上は年間20万台までの出荷に対応できることになります。

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それでは、VGJ豊橋インポートセンター内のテクニカルサービスセンター(TSC)でのPDIの流れをご紹介します。

PDIの流れ

TSCでの納車前点検作業フローは以下の通りです。

①陸揚げ
②フルボディカバー・サスペンションブロックの取り外し、車載品準備
③型式指定完成検査
④機能検査
⑤ロードテスト
⑥洗車、清掃、搭載品、ホイール等の検査
⑦外観検査
⑧フォルトチェック、下回り点検
⑨必要に応じて機能・外観整備
⑩T-Fit VW純正アクセサリー装着
⑪バッテリー充電
⑫カーサイロ保管
⑬出荷

このうち主だった作業について順番にご紹介します。

(1)陸揚げ

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ヨーロッパ、南アフリカ、南米、メキシコの港から毎月3~4回、自動車専用船に積載された車両は、VGJ豊橋インポートセンターに隣接する専用岸壁に陸揚げされます。フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ、ベントレー車が混合で積載されており、多い時には1日3,000台が運ばれてきます。陸揚げには早くて1日、台数が多い時は2日かかることもあります。陸揚げされた車両は、保税エリアにて税関の職員による一括通関を待ちます。

(2)フルボディカバーの取り外し

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以前はヨーロッパの港で日差しによる日焼けや移動中の小石によるキズから守るため、車の保護材にワックスを使っていましたが、現在は環境保護の観点からワックスを使わず、基本的には本国からフルボディカバーを装着した状態で日本に届きます。台数が増加したこと、そしてより早くお客様にお届けするため、TSCにてボディカバーを取り外し、お客様にお渡しできる状態で出荷されます。一部、販売店でボディカバーを取り外し、キズがないかをチェックするなど、納車前点検(ディーラーPDI)を行う場合もあります。

(3)型式指定完成検査

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ここでは、道路運送車両法に定める保安基準に適合しているかを検査します。検査が終了すると、完成検査終了証が発行されます。車両を新規登録する際に、ここで発行された完成検査修了証を提出することにより、運輸支局への車両の持ち込みを省略することができます。ドイツ本国では、日本専用の生産ラインを設けて出荷しているため、エンジンの打刻、車両打刻、マフラーの打刻に間違いがないか等の僅かな確認で検査を済ませることができます。

(4)機能検査

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実際にドアを開け、検査員がクルマに乗り込んで、各機能のチェックを行います。

(5)ロードテスト

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TSC内の専用コースにて、走行テストを行います。コンクリートの路面や、悪路を想定した凹凸道などを走り、運転性能を検査します。

(6)洗車

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ロードテストの後は、洗車です。洗車機は洗剤等は使用せず、水だけで洗浄しています。これは、車両がフルボディカバーを被った状態で届くため、ホコリを落とすことができれば十分だからです。

(7)外観検査

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走行テストを行っているため、室内でも特に運転席側にキズが無いか、細かくチェックします。また、検査ラインには、下から検査員が車両を確認できるようにスペースが設けられていて、ここから下回りの点検も行います。

(8)カーサイロ保管

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すべての検査を終えたクルマはカーサイロと呼ばれる立体駐車場のような専用スペースに保管されます。高さ14台、奥行き32台分のスペースがあり、約3,700台が保管されています。クルマの情報は全てシステムで管理されており、ディーラーへの出荷指示があるまでは、ここで保管されます。

以上がフォルクスワーゲンのクルマが日本の港に陸揚げされてから、全国のディーラーに出荷されるまでのPDI作業となります。このように1台1台、お客様のお手元にクルマが届くまでにはインポーターの熟練スタッフによる、細かく、慎重さが要求される作業が行われています。

パーツデポ(部品倉庫)

VGJ豊橋インポートセンターには、パーツデポと呼ばれる部品倉庫があります。このパーツデポには、ドイツのカッセルという町にある本社の部品倉庫から、船で運ばれてくる部品約5万7,000点を保管し、販売店からのオーダーに翌日発送で対応しています。多い時は1日1万件のオーダーを受注します。ここでは163名(2016年6月現在)のスタッフが働いています。

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パーツデポでの入荷~出荷までの作業フローは以下の通りです。

①入荷
②保管
③ピックアップ
④仕分け
⑤梱包
⑥出荷

それでは、パーツデポでの作業フローを順番にご紹介します。

(1)入荷

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部品が積載されたコンテナ船は豊橋では荷卸しができないため、名古屋港から40フィートサイズのコンテナが1日4本ほど届きます。コンテナ内はいくつものパレットボックスが積まれています。パレットボックスは、箱の下に固定されているパレット部分がフォークリフトですくい上げられるようになっているため、スムーズに作業を進めることができます。

入荷時に、入荷リストと荷物の品番・数量が合っているか検品作業を行っています。検品作業においては荷物のデータをスキャンしていますが、その際に同じ部品が保管されている棚の容積をシステムが確認し、追加で荷物が入るかどうかチェックしています。

(2)保管

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保管場所は、高速自動ラック、パレットラック、小物ビンラックの3つに分かれています。高速自動ラックは、大型部品も保管が可能な立体自動倉庫です。ここではパレットボックスのまま荷物を自動保管・出庫することができます。

パレットラック・小物ビンラックは、手が届く棚には頻繁に出荷するものを、手が届かない棚には出荷頻度が低いものが保管されます。

棚ごとの充足率は毎日システムが管理しており、出庫頻度が低くなったものは上の棚に、頻度が高くなったものについては、下の棚に降ろすように提案されます。この仕組みはロケーションメンテナンスと呼ばれ、部品は最適な場所に保管されています。

(3)ピックアップ

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部品の特性によって分けられている保管場所から、システムの指示に従い、作業者が部品をピックアップします。パレットラックや小物ビンラックの最下層の棚は作業者が手で部品を取り出すことができる高さですが、システムの指示なしには勝手に出し入れできないことになっています。

(4)仕分け

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データラベルをスキャンすると、システムが仕分け先の棚を指示します。該当の棚の赤いランプが点灯するので、荷物を指示通りに仕分けすることができます。棚の中のバケットがいっぱいになると、シューターで梱包作業場所に運ばれます。

(5)梱包

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梱包に使用する箱は130種類ほどの種類がありますが、どの箱に梱包するかは熟練の作業者の感覚によって判断しています。送付先・箱番号・容積重量・数量などのデータは箱に印字されており、バーコードを通じて運送会社にもデータが送られます。

(6)出荷

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梱包された荷物は提携の運送会社によって、各販売店に向けて出荷されます。

トレーニングセンター

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こちらのトレーニングセンターでは、年間220日ほどのトレーニングが行われています。テクニカルの資格制度は、ベーシックコースで車両点検などの基礎的な分野を修了した後、エアコン系統やエンジン系統の故障診断など分野ごとに分かれたアドバンストコースに進むことができる仕組みになっています。アドバンストコースの全ての専門的なコースを修了すると、フォルクスワーゲン テクニカル マイスターの資格を取得することができます。この資格は1度取得した後、2年ごとにアップデートが必要など、厳しい基準が設けられています。

各販売店に必ず1人必要となるハイボルテージテクニシャンの資格もここで取得することができます。この資格は、プラグインハイブリッドや電気自動車の高電圧バッテリーを扱うための資格です。フォルクスワーゲンでは、2010年にトゥアレグハイブリッドを導入した際に、この資格を持ったテクニシャンを各販売店に配置しました。また、ゴルフGTE、パサートGTEの導入に合わせて資格の更新も行われています。

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販売店で必要な資格のトレーニング以外にも、ここではセールス、アフターセールス、パーツスタッフなどの世界大会に向けた日本代表スタッフの訓練なども行われています。

2016年4月からTSCでの作業工程、パーツデポ、トレーニングセンターの他、テストドライビングや安全装備を体験できるセーフティエクスペリエンスなども盛り込まれた豊橋本社ツアーが始まりました。これはフォルクスワーゲンが掲げるThink People.(人を真ん中に考えること)を体現する取り組みの1つです。本社ツアーの他にも、カスタマーイベントや試乗モニターキャンペーンなど、様々な取組みがあります。ぜひ、この機会にフォルクスワーゲンをより身近に感じてみてください。

○フォルクスワーゲンについてはこちらから
フォルクスワーゲン グループジャパンホームページ

本記事の取材は、2016年6月に行いました。

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